京都府立医科大学神経内科は、神経内科、老年内科、脳卒中診療科領域の疾患の診療・教育・研究に全力で取り組んでいます。

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政権交代と医学・医療

2009年の最も重要な出来事は、8月30日の総選挙による「政権交代」だと思います。現在の民主党連立内閣は不安定な面がありますが、国民の意志により歴史の歯車が大きく動いたことは間違いありません。この政権交代は、日本の医療や医学教育を改めて考える絶好の機会だと思います。そのひとつに、臨床研修制度を含む医学教育システムの問題があります。

今年の4月から必修科目が少なくなり、選択期間を11ヶ月に延長することが可能となりました。この改訂の狙いのひとつに大学病院での研修医増加があったと思われますが、マッチング結果は大学病院での研修医の増加にはつながりませんでした。府立医大の初期研修医数は年々減少し、平成22年度は50名まで減少しています。特に本学卒業生で府立医大での初期研修を希望する医師は僅か24人となっています。

研修医の減少は前期専攻医の減少につながり、地域医療の減退につながり、そして本学の存在そのもの揺るがす危険性を秘めています。また、大学附属病院での研修医の減少は単に「大学が医師派遣機能を失う」と言うのではなく、長期的にはわが国の医学研究、医療体制を揺るがす事態へと展開していくと思います。

なぜ、本学附属病院での研修医が少ないのでしょうか?全国的に見ると「笑った大学」、「泣いた大学」それぞれですが、横浜市立大医学部附属病院では定員96人のフルマッチングで、3年目のいわゆる入局者数は全体で200名を超えるとのことです。横浜市立大の先生のお話では、研修医を含む勤務医の就労状況や医師派遣のあり方を「勤務医が働きやすい視点」で変えたことが重要なポイントではないかとの事でした。

「当たり前の話」と思われる方が多いと思いますが、現実的は「旧態前たる状況」が、本学の「卒前教育」・「研修医指導体制」・「研修医の就労環境」にあるのではないでしょうか。わたしたちは、危機感をもって全学的に「研修医問題」=「本学の根本にかかわる問題」を考える必要があると思います。
地域医療の“医師不足”に対して、各大学で「地域枠」制度が設けられています。

本学でも平成22年度からは7名の「地域枠」が設定されています。医学生の定数だけを増やしても教員の数は全く増えていません。私は、地域医療に特化した大学院大学で4年制の「Medical School」(医科大学院、定員60名)の設置を提案したいと思います。

ここで「Medical School」構想の詳細は述べませんが、常に、先進医療と地域医療の両立のために、診療・教育・研究に苦心している現状を改善するためには、今までの医師養成制度の枠の中だけでは根本的な医師不足の解消は出来ないと考えています。

 2002年10月1日に本学の神経内科に赴任させて頂いて、早くも7年が過ぎました。まさしく「Time flies」ですね。幸いなことに鴨神会(神経内科同門会)は、新研修制度が始まって以降、24名の新会員を迎え、平成22年度も6名の新会員が増える予定です。

これも会員の皆様の日頃のご努力の賜と感謝しております。「patient oriented clinical medicine/research」を基本的姿勢として、医学・医療における足腰をしっかり鍛え、一歩一歩足元を踏み固めながら、若い力の育成に全力を注ぐと共に自分自身も弛まぬ努力を続けていく所存です。

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