京都府立医科大学神経内科は、神経内科、老年内科、脳卒中診療科領域の疾患の診療・教育・研究に全力で取り組んでいます。

神経内科教室について

ご挨拶

ご挨拶

2013年水野が神経内科教授を拝命してから早7年が経ち、私の任期も後半にさしかかっています。2020年はCOVID19感染を契機にして社会情勢が大きく変わろうとしており、これまでの医療・医学に対する考え方を改めるべき時に来ていると思います。私の任期の前半は2025年に迎える日本の高齢化社会に対する準備でした。当科の最初の目的である認知症、脳卒中への対応についてこの7年間これを支える臨床、研究、そして人材育成に力を入れてきました。加えて中川正法前教授時代に種を撒いていただいた神経難病の分野、特にCharcot-Marie-Tooth、筋萎縮性側索硬化症、アレキサンダー病、HAMについては臨床・研究とも吉田誠克准教授、能登祐一講師が積極的に引っ張ってくれ、AMEDや厚生労働省班会議でも活躍してくれています。また他学・他施設で学んで帰ってきた田中章浩講師がてんかん、藤井ちひろ特任助教が神経免疫、小泉英貴併任助教がボトックス治療、現在留学中の石井亮太郎助教が頭痛とそれぞれ得意な臨床分野を発展させてくれています。認知症については3月に放医研へ移られた徳田隆彦前教授が笠井高士講師らとバイオマーカー研究を発展させ、髄液だけでなく血液によるアルツハイマー病診断に大きな道筋をつけて頂き、多くの臨床治験にも参加しています。脳卒中は私のCADASILの基礎研究に加えて、尾原知行講師が核となり大学附属病院でも急性期脳卒中診療ができる体制を構築し、来年度Stroke Care Unit開設に向けて準備を進めています。さらに今年は安田怜助教が原因不明の成人発症白質脳症の家系においてラミニンB1遺伝子の変異を世界で初めて同定し、成人における大脳白質脳症の新たな疾患概念を提唱する論文を発表します。


この7年間で18人の先生が学位を取得し、その学位論文から東裕美子先生、建部陽嗣先生、斎藤光象先生、小泉崇先生の4名の先生が本学学友会からの青蓮賞を受賞、大道卓摩先生が日本神経学会最優秀ポスター賞を受賞してくれました。この業績をもとに若手の先生の多くが文科省科学研究費や研究活動スタート支援といった公的外部資金を取ってくれています。これは教室員のそれぞれが大学院や他施設で勉強した研究テーマをさらに発展させている結果です。教室としての研究の継続性も重要ですが、研究は中川前教授から指導して頂いてきたbedside to bench, bench to bedsideの精神でそれぞれの先生が自分で切り開いていくものです。若手の先生が新たな研究を始める基盤がようやくできてきたと考えています。


2025年問題への準備もまだ完成するところまでは到達していませんが、ある程度目途がついたと考えています。これからの医療はサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたsociety 5.0をベースとした新たな技術革新、新しい病院作りを考える段階に入ってきています。本学が創立150週年を迎えるところまで、引き続き皆さんと頑張りたいと思います。


2020年5月

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