京都府立医科大学神経内科は、神経内科、老年内科、脳卒中診療科領域の疾患の診療・教育・研究に全力で取り組んでいます。

神経内科教室について

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医学教育再考

「医療崩壊」という言葉が当たり前のようになってきたこの昨今です。今年は“世界的な経済危機”あるいは“世界恐慌”のため、国民皆保険制度の維持すら困難となり兼ねず、わが国おける医療崩壊はさらに加速される可能性があります。

厚生労働省は、医療崩壊につながる医師不足や研修内容の見直し要望などを受けて、2010年度より医師の初期研修期間を1年に短縮する方向で検討を開始しているようです。現実に則した研修制度の改正を強く望むばかりです。

このような社会状況の中でこそ、医学教育のあり方をしっかりと考える必要があると思います。医学教育には、卒前教育、初期研修、専門研修、大学院教育、生涯教育などが含まれます。その中でも卒前教育と初期研修が極めて重要です。私は、大学で学生教育に携わるものとして、大きな責任を感じています。

昨年10月より、医局スタッフの知恵を出し合って作成した後期ポリクリシステムは、学生諸君にきわめて好評です。これは、クリニカルクラークシップのミニ版ですが、学生の勉学意欲を引き出しているようです。今年からは6回生に対して本格的なクリニカルクラークシップも始まります。将来を見据えて、学生教育の指導体制をさらに充実させていきたいと思います。

神経内科専門医を目指す若手医師にとって、初期の専門研修が彼らの才能を開花させる上できわめて重要だと思います。若手医師は、いわゆる“労働力”という面もありますが、彼らが専門医を目指す医師であることを重視した対応が重要だと考えます。その意味で、私を含め指導者の責任は重大であると言わざるを得ません。

医学教育の成果が出るのには時間がかかりますが、「国家百年の計は教育にあり」と言われるように、医学教育の充実は将来の日本の医学医療の発展に不可欠であり、今こそ、そのあり方を“再考”すべきときです。

幸いなことに神経内科同門会は、新研修制度が始まって以降、19名の新会員を迎え、平成21年度も5名の新会員が増える予定です。これも会員の皆様の日頃のご努力の賜と感謝しております。今後ともよろしくお願いいたします。

昨年も申し上げましたが、「patient oriented clinical medicine/research」が私の基本的姿勢です。社会状況が不安定なこの時期こそ、医学・医療における足腰をしっかり鍛え、一歩一歩足元を踏み固めながら、若い力の育成に全力を注ぐと共に自分自身も弛まぬ努力を続けていく所存です。

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