京都府立医科大学脳神経内科は、神経内科、老年内科、脳卒中診療科領域の疾患の診療・教育・研究に全力で取り組んでいます。

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人口減少時代と神経内科

ついに日本は人口減少時代に入りました。2004年の出生率は1.29となり、人口動態推計で2005年は1万人の自然減となったようです。人口の自然減は日本の歴史の中で初めてのことであり、2100年には日本の人口は半減すると推計されています。人口が減少すると言うことは、日本社会の基本的な構造転換が迫られることを意味します。

このことは、医療の分野にも大きな影響を及ぼします。神経内科・老年内科の観点から見ると超高齢化が進み、それに伴う神経疾患が急増する可能性を示唆しています。このままでは将来膨大な医療費が社会全体に重くのしかかってきます。

したがって、われわれの仕事は、病気の治療は言うまでもなく、元気で働ける高齢者をサポートするということが今後ますます重要になってくると思います。少子化対策を抜本的に見直す必要があることは言うまでもありません。この点に関しては、私たちも女性同門会員のサポートを今まで以上に大切にする必要があると考えています。

私は、本学医学科に新設された「医学教育研究センター」のセンター長(兼務)に2005年12月1日付で任命されました。このセンターは、学内センター員と学外センター員(臨床教授等)によって構成され、本学における卒前・卒後教育全般にわたる教育システムをつくるという重要な役割を負っています。

本学の初期研修医が年々減っている中で、センター長の責任は重大と言わなければなりません。今年度の本学での初期研修希望者は76名ですが、本学の卒業生はわずかに26名です。これは、本学の初期研修システムの基本的な問題の反映と考えられます。

関連病院との本当の意味での連携〜真に優れた医師を育てるための共同作業〜を含めて、将来を見据えた教育システムを創ることが必要でしょう。この教育システムを考える上で重要な視点のひとつが「人口減少時代と医学・医療」ということになると思います。

具体的にどうするかということはこれからですが、神経内科・老年内科が人口減少時代=超高齢化社会においてますます重要になってきていることは間違いないと思います。同門会員の皆様の英知を頂きながら、新しい時代〜「心豊かな、安心・安全な社会」〜を創るために微力ながら努力していきたいと決意しています。

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